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コラム:教えて!18歳成年制度 Q&A [第3回]


 教えて!18歳成年制度 Q&A [第3回]

 4月から愛知学院大学に入学する予定の現在高校三年生のあいりさん(18歳)。コロナ禍が収束したら、海外へ留学したいと考えている。そのために、大学の講義以外に英会話講座を受講して英会話の力を高めたいと思い、気になる語学教室に話を聞きにいった。一対一でネイティブの講師が45分間みっちり指導してくれるコースは、10回がセットになっており、25万円とのこと。いつでも予約と変更が可能で、バイトとの両立もしやすそう。でも今、全額現金では支払えないな。「分割払いやクレジットも利用できますよ」と言われたがクレジットカードは持っていない。30回分割なら、バイト代でも払える額だ。私は、18歳。4月からは成年になる。そもそもローンとか、分割払いって聞いたことあるけど、何???。後でとんでもない額の請求がきたりしないのかな・・

 Q1 分割払いって、そもそもどういうものなの?

Ans. 4月から成年になる18歳、19歳に対し「成年になったら一番にしたいことはなんですか」というNHKによるアンケート調査に対し、1位が「買いたかった高額な商品を購入したい」、2位が「クレジットカードを持ちたい」、3位が「エステに行きたい」という結果となった。これらいずれも「高額」な支払いという負担が伴うものといえる。あいりさんが今回利用したい英会話教室の講座は、法的には、「英会話の指導を受ける」という役務(サービス)供給契約といえます。エステを受ける等も同じです。4月以降、あいりさんは、ひとりでこの契約を有効に成立させることができる(民法4、5条)ので、サービスを利用できる「権利」を取得するだけでなく、「代金支払い」の義務も負うことになります。他方、英会話教室側は、サービスを提供する「義務」を負い、代金支払いについては、請求する「権利」を行使することができます。したがって、25万円の講座を購入した場合、あいりさんは、全額教室に支払わなければ講座を受講することはできない、ということになります。しかし、通常の取引社会では、例えば、代金は、一括でなくても、分割でいいですよ、といった「特約」(特別な約束)を取り交わすことが多いのです。これは、契約当事者間で取り交わすもので、すべての語学教室の契約でそうなっているものではないことに注意してください。
 今回は、「分割払いでもいいですよ」という特約があるようですので、25万円を何回かにわけて代金をしはらうことで契約を有効に成立させることができます。問題は、何回かに分けて支払うことは、本来25万円を一括払いする義務(債務といいます)。語学教室側は今後、複数回に分けて返済を受けることになり、手間がかかりますので、あいりさんから「手数料」を取るのが一般的です。確かに借金ではありませんが、金融機関からお金を「借りる」場合に「利息」を払うように、結果として、総額が当初の代金(25万円)より高額になることを忘れないでください。大手テレビショッピング会社は、「35回まで金利、手数料は無料!全て○○ネットが負担します」と大々的に宣伝していますね。契約はそれぞれ異なります。どうか、契約する際は、単に「価格が安い」ということだけでなく、契約の内容をよく吟味し、慎重に購入を決定するようにしましょう。「買いやすい」ということは必ずしも常に「お得!」というものではない場合があることを知っておきましょう。

[参照条文 民法]
(成年)
第4条 年齢18歳をもって、成年とする。
(未成年者の法律行為)
第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

次回は、「クレジットカードを持ちたいな」と思っているあいりさん。現金がなくても物が購入でき、後で請求が来るらしいということはお母さんから聞いて知っている。便利そうだけど、いまいちそのしくみがわからないため利用するのがちょっと怖い。そこで、まずは、クレジット・カードのしくみをわかりやすく説明したいと思います。

[参考]
 法務省:広報用(簡易版)「成人年齢の引下げ-18歳がいきいきと活躍する社会へ」
      https://www.moj.go.jp/content/001300586.pdf
 消費者庁:「18歳から大人」特設ページ
      https://www.moj.go.jp/content/001300586.pdf
      Twitter https://twitter.com/caa_18sai_otona
 NHK  民法改正・少年法改正「18歳何が変わる?」
      https://www3.nhk.or.jp/news/special/adult-age-reduction/

5 相談先
  愛知学院大学:愛学リーガル・クリニック無料法律相談所(日進・MKC隔週水曜)
         電話による相談申込:0561-73-1111(内)5106・5105
         メールによる相談申込
         http://legal-supports.agu.ac.jp/free-legal-consultation/index.html

  消費者庁:ホットライン 188 (いやや) 相談窓口直接つながる
  愛知県:愛知県県民文化局県民生活部県民生活課 消費生活相談・消費者教育グルー
      プ ダイヤルイン:052-954-6603
  愛知県弁護士会:https://www.aiben.jp/soudan/
          0570-783-110(なやみ110番)
  日本司法支援センター(法テラス)
          0570-078374(IP電話からは、03-6745-5600)