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「株主総会について」 


  愛知学院大学社会連携センター教授・弁護士 浅賀 哲

株主総会は、会社の最高の意思決定機関であり、会社運営上きわめて重要です。憲法上、国会が国権の最高機関とされておりますが、同様の機能を果たしているといえます。 ただ、非上場会社においてはその運営が必ずしも適法になされていなかったり、開催がされていないといったケースすらあります。また、上場会社においては、株主であってもほとんどが議決権を書面投票において行使をするもので、参加したことがないという方が多いのではないでしょうか。今回は株主総会の基本的な点について、ご説明をいたします。
○ 株主総会の種類
(1)定時株主総会
    毎事業年度の終了後、一定の時期に招集される株主総会を定時株主総会といいます。定時株主総会では、当期事業年度の決算承認、事業報告、取締役、監査役等の役員の選任、剰余金の配当等が議題となります。
(2)臨時株主総会
    必要に応じていつでも開催することができる株主総会を臨時株主総会といいます。合併、非上場化等の組織再編などが議題となることがあります。
○ 株主総会開催の流れ
(1)株主総会招集の決定
    取締役会設置会社の場合、取締役会にて、株主総会招集を実施します。
  株主総会の日時および場所、株主総会の目的事項、書面投票制度または電子投票制度を採用する場合はその旨などを記載します。
  一定の株主においては、自ら議題を提案することもできます(会社法303条)。
(2)招集通知の発送
    招集事項が決定したときには、招集通知が株主に発送されます。
(3)株主総会の実施
    総会当日は、会社からの報告と議案の説明が実施されます。
  株主からは、議題に関連した事項について質問をすることができます。会社側は、その質問に回答をします。
   決議は、原則として議決権の過半数の賛成で可決され(普通決議・会社法309条1項)、議決権は1株あたり1個となります。上場会社においては、書面決議、インターネットでの決議が可能となっています。さらには、バーチャル上の株主総会も検討され、開始されています。
   なお、定款変更や組織再編等の重要な議題については、議決権の3分の2以上の賛成が必要とされています(特別決議・会社法309条2項)。
(4)議事録の作成・保存
    株主総会が終わると議事録を作成し、株主総会の日から本店に10年間備え置く必要があります(会社法318条)。