グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



TOP >  ブログ >  送り付け商品について

送り付け商品について


愛知学院大学特別教授・弁護士 國田武二郎

Q: 最近、外国から植物の種が送られてきましたが、全く心当たりがなく、送り主もわからず、うす気味悪い思いをしています。どのように対処したらよいでしょうか。

A: 頼みもしない物品が送られてくるのというのは受取る側にとっては、迷惑な話です。まして、得体のしれない「種」なので、何の種かわからず、大麻などの違法薬物の種か、それとも、外国から送られてくることで日本に持ち込んではいけない種類の「種」なのかなどの不安があります。植物防疫法によれば、種を含めた植物は、日本に持ち込んで安全か否かを審査する必要があり、植物防疫官の検査を受けなければ輸入できないことになっています。そこで、外国から送られた種については、最寄りの「植物防疫所」に連絡し引き取ってもらうのが賢明です。面白半分に「種」を植え付けて育った結果、「大麻草」であったような場合は、大麻取締法違反で逮捕されることもありますので、注意してください。
ところで、送りつける側で、後で代金を請求するという狙いがあるとすれば、それは、「押し付け商法」と呼ばれる通信販売の一種で、悪質商法といって言いと思います。売買契約は申込と承諾の意思の合致がないと成立しません。ですから、送りつけても受け取った側が承諾しない以上、契約は成立せず、代金の支払い義務も商品の返還義務も生じません。このような「送りつけ商品」の取扱いについて、「特定商取引に関する法律」では、商品を受取った日から14日間保存していて、それを過ぎればいかように処分してもかまいません。それでは、長いと思えば、送り主に引取りを求め、その日から7日たてば、商品の処分は自由です。なお、送られた商品と一緒に「断りの連絡がなければ購入したものとみなす」とか「返送がなければ購入したものとみなす」などと書かれた文面が同封されていても、これは、送る側の一方的な意思表示に過ぎませんから無視してください。何らの法的効果は生じません。対処法としては、①受け取り拒否、②受取保留、③相手方に返送、④消費者センターの相談窓口で相談する等ですが、問題は、家族が事情を分からず代金引換郵便や代金引換宅配便で送られてきて代金を支払った場合です。このような場合、気が付いた時点で、すぐに郵便局や宅配会社に連絡し、送り主への支払い凍結を申し出ると送り主への支払がストップします。お金が送り主に支払われた場合、送り主には、法的には代金の返還請求ができますが、取り戻すことは現実的には難しいと思います。
以 上