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インサイダー取引


[服部 育生]
株式投資とインサイダー取引規制
講演:インサイダー取引  服部育生


[1]総説
   会社関係者 及び 情報受領者は、重要事実(インサイダー情報)が公表される前に、上場会
   社の特定有価証券(株式・社債・新株予約権)を売買してはならない(金商§166①)。
   趣旨   証券市場の公正性・健全性

[2]会社関係者
  (1)会社関係者(§166①1号~5号)は、職務に関し重要事実を知ったときは、その事実
     が、公表された後でなければ、売買等不可。
     特定の地位とは無関係に偶発的に知った場合は除外。
  (2)Aが取締役当時に重要事実を知った場合、Aが取締役でなくなってから1年以内は、売買
     等不可。
  (3)Aが取締役でなくなった後で重要事実を知った場合は対象外。
     ただし、Aは下記[3]の第1次情報受領者に該当する可能性が残る。
  (4)①1号   役員 使用人 従業員(パート・アルバイトを含む)
           親会社や子会社のそれも該当
  (5)①2号   持株比率3%以上の株主
           帳簿閲覧権行使に関し重要事実を知ったとき
  (6)①3号   会社に対し法令上の権限を有する者
           許認可権を有する官庁の担当公務員等(税務署員や警察官も含む)
  (7)①4号   会社と契約を締結し又は締結交渉している者
           会社に融資している銀行(当該銀行の担当役員等を含む)
  (8)①5号   甲銀行の融資担当役員Aが融資先乙社で多額の損失発生を知ったケース
           ―→Aは勿論4号該当、甲銀行の他の役員Bが職務上Aから当該情報を得
           ればBは5号該当

[3]情報受領者   §166③
  (1)会社関係者Aから重要事実の伝達を受けた者B(Aの親族や友人)
  (2)Bから伝達を受けた第2次情報受領者Cは除外
  (3)職務上伝達を受けた者Aが所属する甲法人の他の役員等Bも情報受領者
     甲証券会社の証券アナリストAが職務に関連して乙会社の取締役から重要事実の伝達を受
     け、これをAが甲社内で上司の取締役Bへ報告―→Aは会社関係者でないにもかかわら
     ず、Bは情報受領者(Bは第2次情報受領者とも言えそうであるが規制対象)

[4]重要事実   §166②
  (1)決定事実   新株発行  減資  合併  増配  自己株取得
  (2)発生事実   損害  主要株主の異動  上場廃止  訴の提起
  (3)決算情報
   その他 包括条項 及び 子会社情報

[5]重要事実の公表   §166④
  (1)会社が2以上のマスコミに公開し、12時間経過
           (施行令30条1項1号、2項)
  (2)会社が取引所に通知し、公衆縦覧(TDネット)に供される
           (通知後12時間経過、施行令30条1項2号)